15年以上のグラフィックタブレット開発の経験を活用して、信頼性の高い液晶ペンタブレット、ペンタブレットとスタイラスペンなどの製品を開発・販売してきたXPPen社は、2024年8月26日に同ブランドの最新モデル『XPPen Artist pro19(Gen2)』をリリースした。
3840 x 2160(4K)高解像度、16:9アス比の18.4インチディスプレイを搭載した液晶タブレット(液タブ)であり、パッケージには「X3 Proローラースタイラスペン」と「X3 Proスリムスタイラスペン」が同梱。便利な片手デバイス「ワイヤレスショートカットリモートACK05」が付属するなど、全体的に優れた構成のモデルとなっている。
今回、メーカーより本製品を提供していただいたので、実際に使用した感想を基にレビューしていきたいと思う。
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ブランド | XPPen |
製品名 | Artist pro19(Gen2) 液晶ペンタブレット |
製品モデル | MD180UH |
色 | ブラック+グレイ |
本体サイズ | 460×306.6×21.54mm |
作業エリア | 409×230mm |
本体重量 | 約2.23kg |
スタイラスペン | X3 Proローラーペン+X3 Proスリムペン |
ON荷重 | 3g |
筆圧レベル | 16384 |
傾き検知機能 | 60° |
画面解像度 | 3840×2160(4K)16:9 |
画面サイズ | 18.4インチ |
フルラミネーション | あり |
視野角 | 178° |
表示色 | 10.7億色(8bit+FRC) |
輝度(標準) | 250cd/m2 |
解像度 | 5080 LPI |
読み取り分解能 | 5080LPI |
色域カバー率(標準) | 99.8% sRGB, 96% Adobe RGB, 98% P3 |
色域面積比(標準) | 156% sRGB, 116% Adobe RGB, 115% P3 |
読取高さ | 10mm(中央) |
レポートレート | 220RPS(最大) |
精度 | ±0.4mm(中央)、±0.8mm(エッジ部) |
搭載ポート | 2 x フル機能USB-C |
電源入力 | AC 110-240V |
電源出力 | DC 12V ⎓ 2A |
互換性 | Windows 7以降, macOS 10.13以降, Android(USB3.1 DP1.2), Chrome OS 88以降, Linux |
▼公式紹介動画
今回紹介する『XPPen Artist pro19(Gen2)』は、3840 x 2160(4K)高解像度、16:9アス比の18.4インチディスプレイを搭載した液晶タブレット(液タブ)だ。
▼X-Natureディスプレイによる、クリアな映像表現を堪能。
Calman Verified認証を取得しており、99.8% sRGB、96% Adobe RGB、98% P3の色域をカバー。再現度の高い鮮やかな映像が描画される。
460×306.6×21.54mmの大きめな筐体に、409×230mmの広い作業エリアを備えており、伸び伸びと描くことができる。本体重量は約2.23kgと筐体サイズに対して比較的軽めであり、外出先への持ち運びこそ向かないものの、自宅内で作業場所を移動する際にも支障にならないサイズ感だ。
筐体背面には75×75mmのVESAマウントが取り付けられるようになっているほか、スタンドが内蔵。様々な設置方法や作業環境に対応できる。
最新スマートチップ「X3 Pro」を搭載し、16,384の筆圧レベルに対応。パッケージには「X3 Proローラースタイラスペン」と「X3 Proスリムスタイラスペン」の2種類のペンが同梱されており、細かな描き分けが可能となっている。
また、便利な片手デバイス「ワイヤレスショートカットリモートACK05」が付属するなど、パッケージ内容が非常に充実している点も嬉しい。
▼液タブ本体と組み合わせることで、作業効率が大幅に向上する。
▼充実のパッケージ内容。
Windows・Mac・Androidのいずれのデバイスとも接続可能。ディスプレイ出力&給電に対応したType-Cポートを備えるデバイスに対しては、ケーブル一本で接続するだけで液タブの利用を開始できる。
以上の通り、優れた基礎性能と充実のパッケージ内容を併せ持つ、高性能液晶タブレットとなっている。
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子。
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- Artist pro19(Gen2)本体
- ペンケース
- X3Proローラーホイールスタイラスペン
- X3 Proスリムスタイラスペン
- スリムスタイラスペン用交換ボタンキャップ
- スリムスタイラスペン用標準替え芯×9
- ローラーホイールスタイラスペン用標準替え芯×7
- ローラーホイールスタイラスペン用フェルト替え芯×7
- 芯抜き
- 3-in-1ケーブル
- USB Type-C to USB Type-Cケーブル×2
- USB Type-C to USB Type-Aケーブル
- PD電源アダプタ
- ワイヤレスショートカットリモートACK05
- 2本指グローブ
- クリーニングクロス
- 替え芯バッグ
▼ユーザーマニュアルは日本語にも完全対応。図付きで扱い方が分かりやすい。
▼2本指グローブやクリーニングクロス等も付属。
▼スタイラスペンの替え芯も複数用意されており、長期にわたって使い続けることができる。
▼海外でも利用できるように、複数種類の電源アダプタが付属している。
▼3-in-1ケーブルやType-Cケーブルなど、付属ケーブルが充実しており、パッケージ購入後するに液タブの本格的な利用を開始することが可能となっている。
XPPen Artist pro19(Gen2)本体
▼液タブ「XPPen Artist pro19(Gen2)」本体の外観。460×306.6×21.54mmの大きめな筐体に、409×230mmの広い作業エリアを備えている。
▼最も厚い部分で約2cmほどと薄型デザインとなっており、全体的にスタイリッシュな印象を受ける。
人間工学に基づいて設計された「X-Edgeリストレスト」デザインにより、手前側に滑らかな曲線エッジが見られる。
▼液タブ後部の様子。
▼後部中央にはフル機能USB Type-Cポートが2つ用意。
▼左端には電源ボタン、輝度調節ボタンが用意。
▼背面の様子。
▼背面中央には、75×75mmのVESAマウントが取り付けられるようになっている。
そして背面後方には、左右にスタンドが内蔵されている。
スタンドを展開することで、イスに座りながらちょうど良い角度で液タブに描くことができ、身体への負担を抑えられる。
▼液タブを設置した様子。
片手デバイス「ワイヤレスショートカットリモートACK05」
本製品には、片手デバイス「ワイヤレスショートカットリモートACK05」が付属する。
このワイヤレスショートカットリモートはBluetooth接続に対応しており、各ボタンから様々な機能へスムーズにアクセス可能。液タブを併せて使用することで、作業効率を大幅に向上させることが可能だ。
▼非常にコンパクトなサイズで、デスク上に設置しても場所を取らない。
▼側面にはType-Cポートが用意。
▼電源スイッチ&インジケーターも備わっている。
2種類のスタイラスペン
そして本製品パッケージには「X3 Proローラースタイラスペン」と「X3 Proスリムスタイラスペン」の2種類のペンが同梱されており、細かな描き分けが可能となっている。
▼ペンケース自体もスタイリッシュでオシャレなデザイン。
ペンケースには2本のスタイラスペンに加えて、Bluetoothレシーバー(ACK05接続用)、標準替え芯×6、フェルト替え芯×2、芯抜きなどが収まっている。
X3 Proローラースタイラスペン
X3 Proローラースタイラスペンは、2つのショートカットキーと1つのローラーを搭載した太めのペンだ。
各ボタンの機能は、後述する公式ソフトウェアで自由にカスタマイズできる。
X3 Proスリムスタイラスペン
X3 Proスリムスタイラスペンは、2つのショートカットキーを搭載した細いペンだ。
先端のショートカットキー搭載部は取り外すことができ、付属のボタンキャップと交換できる。
▼ボタンキャップ
ショートカットキーが邪魔に感じる場合、ボタンキャップを取り付けることで、指がキーに当たって誤動作を起こしてしまう事態を防ぐことができる。
ケーブル一本で簡単接続
実際に液タブをPCと接続してみる。
今回は、Macbook Air M2と接続して、液タブを使用してみた。
Macbookなど、ディスプレイ出力&給電に対応したType-Cポートを備えるデバイスに対しては、ケーブル一本で接続するだけで液タブの利用を開始できる。
▼付属ケーブルは先端がL字型になっているため、余分な飛び出しが無く、スッキリと収められる。
なお、給電対応ポートを備えていないデバイスと接続する場合は、付属の3-in-1ケーブルとTYpe-Cケーブルを併用して、コンセント等から液タブに別途給電を行う必要がある。
デバイスと液タブとを接続すると、自動的にディスプレイ出力が開始される。
鮮明で色鮮やかな4K描画
3840 x 2160(4K)高解像度に対応した18.4インチディスプレイで描画される映像は、非常に鮮明かつ色鮮やかだ。
▼X-Natureディスプレイによる、クリアな映像表現を堪能できる。
99.8% sRGB、96% Adobe RGB、98% P3の色域をカバーすることで、再現度の高い鮮やかな映像を楽しめる。
細かな文字まで鮮明に描画されるため、液タブとしてだけでなく、PCのサブモニターとしても十分に活用できるレベルだ。
▼動画サイトの4K映像を楽しむ用途にも適している。
▼ウェブサイトの閲覧も支障なく可能。
非常に快適な描き心地
本製品は最新スマートチップ「X3 Pro」を搭載し、16,384の筆圧レベルに対応することで、非常に快適な描き心地を実現している。
フルラミネートディスプレイは視差が最小限に抑えられており、アンチグレアガラスによって映り込みが一切なく、室内照明や屋外の自然光などからの影響は一切受けず、常に画面が見やすく作業がしやすい。
▼AFコーティングが施されているおかげで、指紋などの汚れも付着しづらく、目立ちづらい。
作業面へのペン先の触感は実に良好。本物の紙に鉛筆で描くときのような感触で、滑らかにペンを走らせることができる。
▼ペン先の沈み込みもほとんど感じられない。
反応性も良好であり、ペン先の動きに対して描画の遅延や位置ズレなどは一切感じられなかった。
▼10mmの読み取り高さに対応しており、描画面から浮いた状態でもペン先に反応する。
人間工学に基づいて設計された「X-Edgeリストレスト」デザインにより、手首が液タブ手前へ柔軟にフィットして、長時間の作業を続けても疲れを感じづらい。
作業領域はペン先のみに反応するため、描画面に指や腕が触れても反応しない。人肌を感知しないため、誤作動を心配する必要がなく、描画に集中できる。
10万円超えの価格相応に、すばらしい描き心地を実現した高性能液晶タブレットとなっている。
液タブモード⇔板タブモードの切り替えが可能
本製品は、液タブモード⇔板タブモードの切り替えが可能だ。
液タブ上部の電源ボタンを3秒間長押しすると、ランプが青と黄色に点滅し、板タブモードとなる。
普段から板タブモードでの作業に慣れている場合は、モード切替機能を活用しても良いだろう。
便利な片手デバイス
本製品に付属する片手デバイス「ワイヤレスショートカットリモートACK05」を使用すれば、あらゆる機能に片手からアクセスすることが可能となる。
▼計10個もあるショートカットキーから、様々な機能を利用可能。
▼上部のロールを回転させることで、ズームやスクロールなどの操作を直感的に行うことができる。
Bluetooth接続に対応しているため、ワイヤレスでケーブルが邪魔にならない点もGOOD。
そして後述する公式ソフトウェアを利用すれば、各キーに好みの機能を割り当てられる。
液タブの生産性を最大限に向上させたい場合には、この片手デバイスを存分に活用すると良いだろう。
公式ソフトウェアで各機能を自由にカスタマイズ可能
XPPen公式サイトで配布されている無料ソフトウェアを利用することで、液タブ本体やワイヤレスショートカットリモート、スタイラスペンの機能を自由に調節・カスタイマイズすることができる。
インストール後、ソフトウェアを起動すると接続中のデバイスが表示される。
▼作業エリアを自由に調節可能。
▼作業エリアを90度回転させることで、液タブを縦置きして使用することもできる。
▼付属する2本のスタイラスペンもカスタマイズ可能。
▼ペン先端のショートカットキーに、好みの機能を割り当てることができる。
▼そしてワイヤレスショートカットリモートもカスタマイズ可能。
▼角度を変更することで、ワイヤレスショートカットリモートの縦置き・横置きを切り替えることができる。
▼ワイヤレスショートカットリモートに搭載された複数のキーに関してもそれぞれ好みの機能を割り当てられる。
以上の通り、液タブ本体やワイヤレスショートカットリモート、スタイラスペンについて、詳細なカスタマイズや機能調節を行うことが可能だ。液タブの本格利用前に、機能や感度を一通り調節しておくと良いだろう。
なお、これらの設定内容はアプリごとに切り替えることができる。
▼アプリごとに最適な設定内容を保存分けできる。
▼設定内容を保存したファイルをエクスポートすることで、他の端末でも同様の作業環境をあっという間に再現できる。
『XPPen Artist pro19(Gen2)』のまとめ
今回紹介した『XPPen Artist pro19(Gen2)』について、特徴をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- スタイリッシュなデザイン
- 美しく色鮮やかな4K高解像度ディスプレイ
- 充実のパッケージ内容
- 2種類のペンを使い分けることで、細かな描き分けが可能
- 多種類のケーブルが付属
- プラグアンドプレイ対応で、接続後すぐに使用可能
- 給電・映像伝送対応ポートを備えるデバイスとは、ケーブル一本だけで接続可能
- タブレット底部にスタンドが内蔵
- 公式ソフトウェアで詳細なカスタマイズが可能
- 液タブ⇔板タブモードを切り替えられる
- 16,384(16K)レベルの筆圧感度に対応しており、滑らかに描くことができる
- 本物の紙のような質感の描画面
- 人間工学に基づいて設計された「X-Edgeリストレスト」デザイン
悪かった点
- 液タブを収納するためのケースやバッグ等が付属してほしかった
以上の通り、素晴らしい描き心地・高解像度ディスプレイ・人間工学に基づいてデザインされた筐体を併せ持つ、高性能液晶タブレットとなっている。
最新スマートチップ「X3 Pro」を搭載し、16,384の筆圧レベルに対応することで、非常に快適な描き心地を実現している。作業面へのペン先の触感は実に良好。本物の紙に鉛筆で描くときのような感触で、滑らかにペンを走らせることができた。
付属品も充実しており、特にスタイラスペンが2種類付属しているおかげで、細かな描き分けができる点が嬉しい。替え芯も豊富に用意されているため、長期にわたり使い続けられる製品となっている。
片手デバイスも便利で、豊富なショートカットキーに自分好みの機能を割り当てることで、液タブの生産性を極限にまで高めることが可能だ。
そして何より、公式サイトで配布されている無料ソフトウェアを使って、液タブや片手デバイス、スタイラスペンの機能・感度などを詳細にカスタマイズできる点がGOOD。自分に最適な環境を構築することで、クリエイティブな作業への集中度・モチベーションを高めることができるだろう。
10万円台の価格相応か、それ以上に完成度の高い液タブとなっている。
この価格帯で可能な限り実用的な液晶タブレットを探している方には、ぜひオススメしたい一品だ。
【限定特別ギフト】
- 新製品を購入した先着50名に、「19周年記念特別ギフト(デュポン紙制トートバッグ)」をプレゼント。
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