中国のスマホ・タブレットメーカー「ZTE」は2023年4月、Snapdragon 8+ Gen 1搭載、5G通信対応の12.1インチAndroidタブレット『ZTE AxonPad 5G(中兴 AxonPad)』を中国で発表した。
Snapdragon 8+ Gen 1搭載のハイエンドタブレットであり、別売りのスタイラスペンおよびキーボードを装着することで、タブレットPCのような使い方も可能。
5Gデータ通信に対応しており、対応地域では高速モバイル通信が可能となっている。
今回、提携先より本製品(8GB RAM + 256GBストレージモデル)を提供していただいたので、実際に使用した感想を基にレビューしていきたいと思う。
ブランド | ZTE |
モデル名 | ZTE AxonPad 5G |
OS | MyOS 13(Android 13ベース) |
CPU(SoC) | Snapdragon 8+ Gen 1 |
RAM | 8GB / 12GB LPDDR5 |
ストレージ | 256GB / 512GB UFS 3.1 |
ディスプレイサイズ | 12.1インチ, 16:10 |
解像度 | 2,560 x 1,600(WQXGA)IPS液晶 |
リフレッシュレート | 最高120Hz |
SIMカード | nanoSIM対応 |
マイクロSDカード | 非対応 |
対応通信規格 | Wi-Fi, Bluetooth, GPS |
対応バンド | 5G:n1/n5/n8/n28/n41/n78 4G:B1/B3/B4/B5/B7/B8/B12/B17/B20/B34/B38/B39/B40/B41 |
バッテリー容量 | 10,000mAh(80W高速充電対応)15Wリバースチャージ対応 |
搭載ポート | USB Type-C(3.2 Gen 1) |
スピーカー | クアッドスピーカー内蔵 |
搭載カメラ | フロント:16MP リア:13MP |
本体サイズ | 279 × 181 × 6.5mm |
本体重量 | 約605g |
『ZTE AxonPad 5G(中兴 AxonPad)』は、Snapdragon 8+ Gen 1搭載で優れたパフォーマンスを発揮する、ハイエンドAndroidタブレットだ。おもに法人向けという位置づけの製品となっている。
12.1インチディスプレイは2,560 x 1,600(WQXGA)解像度および最高120Hzの高リフレッシュレートに対応しており、迫力のある大型画面で美しく滑らかな映像を楽しむことが可能だ。
▼別売りのスタイラスペンおよびキーボードを装着することで、タブレットPCのような使い方も可能。大きな画面で作業もはかどる。
Snapdragon Sound with aptX Lossless対応のクアッドスピーカーを内蔵しており、満足度の高いサウンド体験を実現している。
ポートはUSB Type-C(3.2 Gen 1)を採用。高速データ伝送に対応するほか、外部映像出力も可能だ。
CPU(SoC)には "Snapdragon 8+ Gen 1" を採用。RAMは8GB/12GB LPDDR5を搭載しており、大抵の作業を快適にこなせる性能を擁している。
OSはAndroid 13ベースのMyOS 13を採用。一般的なAndroidデバイスと同様の扱い方が可能。
通信規格はBluetooth, Wi-Fi, GPSに対応。シングルnanoSIMカードの挿入が可能であり、タブレット端末としては非常に珍しく5Gデータ通信に対応している。
10,000mAhの大容量バッテリーを内蔵しており、80W高速充電に対応。また15Wリバースチャージも可能であり、モバイルバッテリー代わりとして利用することも出来るだろう。
そして前面には16MP(メガピクセル)のフロントカメラが、背面には13MPメインカメラが内蔵されており、風景撮影からオンライン通話まで、幅広い用途に活用することが可能だ。
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼内容物一覧をすべて取り出した様子
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- タブレット本体
- 電源アダプタ
- USB Type-Cケーブル
- ユーザーマニュアル
- カードスロット開閉用ピン
▼電源アダプタ
▼タブレットの外観。12.1インチディスプレイを搭載したスタイリッシュなデザイン。
▼前面中央には16MPフロントカメラが内蔵。
▼背面の様子
▼背面には13MPカメラが搭載。
▼スタイラスペン(別売り)を装着できるポートも用意されている。
▼金属製のボディには鈍い光沢が見られ、高級感がある。指紋などの汚れも目立ちづらい。
▼本体重量は約605gであり、ややズッシリ感がある。
▼厚みは6.5ミリと薄く、カバンなどに入れて持ち運んでも邪魔にならないだろう。
続いてインターフェースについて紹介していく。
▼右側面には電源ボタン、音量調節ボタン、カードスロットが搭載。
▼付属のピンを用いてスロットを開き、1枚のnanoSIMカードを挿入できる。
▼左側面の様子。キーボードケース(別売り)装着用のポートが用意されている。
▼上部の様子。Snapdragon Sound with aptX Lossless対応のスピーカーが2基内蔵。
▼下部の様子。こちらにもスピーカーが2基内蔵されているほか、USB Type-C(3.2 Gen 1)ポートが用意。
USB 3.2 Gen 1対応ポートの利用で外部モニター等への映像出力も可能だ。
上下計4基のクアッドスピーカーを搭載することで、立体的なサウンドを実現する。
以上の通り、薄型の筐体に最低限のポート類のみが搭載されたインターフェース構成となっている。
AnTuTuベンチマークテスト
本機について、スマホ・タブレット端末の性能を測ることのできる『AnTuTuベンチマークテスト』を実施してみた。
▼Android端末におけるAnTuTuベンチマークテストの実施方法はコチラを参照
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結果として、約118万点のスコアを記録することが出来た。
ウェブサイト閲覧や動画視聴はもちろん、『原神』などの激重ゲームアプリでも60fps安定で快適に遊ぶことのできる性能の高さだ。仕事や動画視聴、ゲーミング用のタブレットを探している幅広い方にオススメできるモデルである。
それでは以下からは、実際に使用した感想について紹介していく。
言語は英語・中国語のみに対応
本製品はOSに「MyOS 13」を採用している。Android 13ベースではあるが、言語は英語・中国語のみ選択可能であった。
現時点で日本語対応バージョンはリリースされていないので注意したい。
5Gデータ通信に対応
前述した通り、本製品は5Gデータ通信に対応している。
▼対応バンドのSIMカードを挿入することで、一部地域では5G高速データ通信を利用することが出来る。
WQXGA・120Hzの美しく滑らかな映像
本機の12.1インチディスプレイは 2,560 x 1,600(WQXGA)解像度、最高120Hzの高リフレッシュレートに対応しており、美しく滑らかな映像を楽しむことが可能だ。
▼リフレッシュレートは設定アプリより切り替えることが出来る。
▼ウェブサイト閲覧時も、細かい文字まで明瞭に表示されるため見やすい。ページスクロールもなめらかで心地よい。
動画サイトで幾つかの動画を視聴してみた。なお本製品はWidevine L1に対応しているため、AmazonプライムビデオやHuluなどのストリーミング配信サービスにおいてHD画質での再生が可能だ。
▼ディスプレイの発色が良く、ゲームや映画、アニメなどでもカラフルな映像を楽しめる。
120Hzの高リフレッシュレートで描画される映像は実に滑らかで、画面移動の激しいアクションゲームやシューティングゲーム等においても、ストレスなく操作できる。
ゲーミングや映像視聴をメイン目的にタブレットの購入を検討している方でも、満足度の高い体験が可能だろう。
ほとんどの作業を快適にこなすことが可能
本機のパフォーマンスを確認するため、ウェブサイト閲覧時・動画視聴時の動作について検証した。
ウェブブラウジングは実に快適であり、画像が多めのサイトや、処理の重いサイトであっても スムーズに閲覧することが出来た。
▼ほとんどのウェブサイトが一瞬で表示される。
画像やスクリプト多めのサイトでも、読み込み時に遅延を感じたり、スクロール時にカクつきを感じることも無かった。
また、YouTubeやネットフリックスなどの動画サイトを閲覧した場合においても、スピーディかつスムーズに動画を再生することが可能であった。
▼最高画質設定の動画を、スムーズに視聴することが出来た。
▼発色も良好。実写映画からアニメまで、満足度の高い映像視聴が可能であった。
以上の通り、ウェブサイト閲覧や動画視聴においては、何の問題もなく快適に行うことが出来た。
品質の高いクアッドスピーカー
本機には計4基のSnapdragon Sound with aptX Lossless対応スピーカーが搭載されており、立体感のあるサウンドを楽しむことが出来る。
実際に音楽をいくつか再生してみたが、音質は実に良好で、中~高音域に関しては非常にクリアに響き渡るサウンドを楽しめた。スピーカーを4基内蔵していることもあり、音圧も強く、低音に関してもそこそこ迫力のある音を出力できていた。音に立体感もあるため、ゲーミング時やメディア視聴時にも臨場感のある体験が可能だろう。
▼直撮りした様子(参考までに)
タブレットでここまでの音質を実現できている点には素晴らしいと言える。
メディア視聴用のタブレットとしては申し分のないスピーカー品質だろう。
実用性の高いフロント・リアカメラ
また、本機に搭載されていカメラについても確認した。
▼実際にフロント(前面)カメラで撮影した画像。
全体的に画質が良く明るく、人物の表情から背景の様子に至るまで、クリアに映し出すことが出来ていた。
激しく動いても残像などはほとんど発生せず、ウェブ会議やオンライン授業に利用しても全く問題ない品質だろう。
▼実際にリア(背面)カメラで撮影した画像。
背面カメラについても、フロントカメラ以上に鮮明で美しい写真を撮影することが可能であった。発色も良く、肉眼で見た場合に近い色合いを実現している。
遠景から近景まで、明瞭な写真を撮影することができた。
ゲーミング性能の確認
各種ゲームアプリを遊んだ際のパフォーマンスについても確認した。
今回は "激重" ゲームとしても有名な『原神』をプレイしてみた。
非常に重いゲームアプリとして有名な『原神』であるが、本機ではスムーズにプレイすることが可能であった。
画質設定はデフォルト状態で "中" に設定されていたが、"高" 以上に設定を上げても依然としてスムーズなゲームプレイが可能であった。
▼高画質設定で原神をスムーズにプレイ可能。
▼激しく動いた場合でも、カクつきや遅延を感じることはほとんどなく、常時60fps安定で遊ぶことができた。
『原神』クラスの激重ゲームでもこれだけ快適に遊べるのであれば、大抵のゲームアプリはスムーズに動作するだろう。
ゲーミング用途にも活用できるほどのパフォーマンスを発揮するタブレットとなっている。
長持ちする大容量バッテリー
本製品には10,000mAhの大容量バッテリーが内蔵されている。
実際に満充電の状態から6時間ほど処理の重いゲームアプリを連続して遊んでみたところ、40%ほどしかバッテリーが減っておらず、丸1日持続可能な充電残量を残していた。
普通にタブレットを利用する分には、1~2日ほど充電ケーブルに接続しなくても問題ないだろう。
また、本製品は80Wの高速充電にも対応しており、少しの充電時間で一気にバッテリーを回復できる点も実用性の高さを向上させていると言えるだろう。
長時間の高負荷使用時にもタブレット本体が高熱をもつことはなかった。
本格的なゲーミングはもちろん、長時間の作業利用にも適したタブレットと言えるだろう。
また15Wリバースチャージも可能であり、モバイルバッテリー代わりとして利用することも可能となっている。
『ZTE AxonPad 5G』のまとめ
今回紹介した『ZTE AxonPad 5G』について、特長をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- スタイリッシュで高級感のある筐体デザイン
- あらゆる作業を快適にこなせる高性能スペック
- WQXGA解像度・120Hz高リフレッシュレート対応
- 『原神』など激重ゲームアプリも快適にプレイ可能
- 音質の良い4基のSnapdragon Sound with aptX Lossless対応スピーカー
- 5Gデータ通信対応
- 長持ちする大容量バッテリー
- USB Type-C(3.2 Gen 1)採用
- リバースチャージ対応
悪かった点
- 日本語非対応(英語・中国語のみ)
- 現時点で法人向けの製品(一般ユーザーは購入困難)
以上の通り、比較的リーズナブルな価格に対して、AnTuTuベンチマークテストで118万点超えのハイスコアを記録するパフォーマンスを実現したハイエンドタブレットとなっている。
基本性能が優れている点は言うまでもなく、筐体自体も洗練されたデザインとなっており、持ち運びや拡張性にも優れている。スタイラスペンやキーボードケースを併用することで、タブレットPCのように利用できる点も嬉しい。
ウェブサイト閲覧や動画視聴はもちろん、ゲーミングにおいても優れたパフォーマンスを発揮するため、ゲーム目的でタブレットを探している方にもオススメだ。クアッドスピーカーの音質も良いため、満足度の高いサウンド体験も可能。なにより、12.1インチの大画面で描画される映像には迫力がある。
USB Type-C(3.2 Gen 1)を採用しており、高速データ伝送や急速充電に対応している点も、利便性向上に貢献している。
フロント・リアいずれのカメラの性能も高く、記念撮影やウェブ会議、オンライン授業などの用途にも十分に活用できるレベルとなっている。
タブレット端末としては非常に珍しく5Gデータ通信に対応している点も魅力的だ。
ハイエンドタブレットと言って差支えのないモデルだろう。
ただし、現時点で法人向けの製品であり、一般ユーザーは購入困難な点が残念だ。また日本語非対応(英語・中国語のみ)な点も注意したい。
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