2023年3月、Snapdragon 8 Gen 2搭載のハイエンドスマートフォン『ZTE nubia Z50 Ultra』が中国にて発表、発売された。
中国では 3,999元 (約7.8万円)~ で販売されている。
今回、本製品(12GB + 512GB、スターコレクション版)を提供していただいたので、実際に使用した感想を基にレビューしていきたいと思う。
ブランド | ZTE |
型名 | Nubia Z50 Ultra |
ディスプレイサイズ | 6.8インチ AMOLEDディスプレイ |
解像度 | 2480×1116(FHD+) |
リフレッシュレート | 最高120Hz |
OS | Android 13 |
CPU | Snapdragon 8 Gen 2 Octa Core |
RAM | 8GB / 12GB LPDDR5X |
ストレージ | 256GB / 512GB / 1TB UFS 4.0 |
SIMカード | 対応(デュアル nano SIM) |
マイクロSDカード | 非対応 |
対応通信規格 | Wi-Fi, Bluetooth 5.3, NFC 5G: NR:n1/n3/n5/n8/n28(703MHz-733MHz/758MHz-788MHz )/n41(2496~2690MHz)/n78(3.3~3.6GHz) 4G:FDD:B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B12/B17/B18/B19/B20/B26/B28 4G:TDD:B34/B38/39/40/41(B41为2515MHz-2675MHz) 3G:UMTS:B1/B2/B4/B5/B8 2G:GSM:B2/B3/B5/B8 |
搭載カメラ | フロント:16MPカメラ リア:64MPメイン+64MP望遠+50MP広角カメラ |
バッテリー容量 | 5,000mAh(80W急速充電対応) |
本体サイズ | 169.9×76.3×8.3mm |
本体重量 | 約228g |
今回リリースされたZTE nubia Z50 Ultraは、インカメラを画面下に内蔵することでパンチホール・ノッチを排除しており、しかもフラットで角丸が小さいデザインとなっている。
▼超薄型ベゼルデザイン。
▼背面が油絵のようなデザインの特別バージョンも用意。
フロントの画面下カメラは、Galaxy Z Fold 3が採用していたような中途半端なものではなく、光で反射させてようやくわずかに見える程度にまで進化した。
6.8インチAMOLEDディスプレイは、2480×1116(FHD+)解像度、最高120Hzリフレッシュレートに対応。OSはAndroid 13を採用している。
ZTE nubia Z50 UltraはSnapdragon 8 Gen 2を搭載しており、原神などの重たいゲームも長時間快適にプレイできる性能の高さとなっている。
ストレージはUFS 4.0、メモリもLPDDR5Xと最新の高速規格を採用。8GB / 12GB LPDDR5Xの2モデルが用意されているほか、メモリ拡張にも対応している。
ストレージは256GB / 512GB / 1TB UFS 4.0 の3モデルが用意。マイクロSDカードの挿入には対応していない。
5,000mAh容量のバッテリーを搭載しており、80Wでの急速充電が可能だ。
USB 3.1 Gen 1対応のUSB Type-Cポートを搭載し、高速なデータ転送を行うことが出来る。
背面には64MP SONY IMX787と64MPペリスコープ望遠カメラ、50MP超広角カメラを搭載。
メインカメラとペリスコープカメラはOIS (光学式手ぶれ補正) に対応しているため、手ぶれすることなく綺麗に撮影できる。
通信規格はWi-Fi 7に対応し、GPSはL1+L2+L5で高速測位が可能。デュアルnanoSIMカードの挿入にも対応しており、5G通信が可能だ。
そして、Snapdragon SoundやDTS:X Ultraで高音質な音楽を楽しめるようになっている。
価格に見合うだけのスペック構成を擁する、ハイエンドモデルとなっている。
製品本体および付属品
▼外箱の様子。今回はゴッホの名画「星月夜」をモチーフとした星空典藏版 (Starry Night Edition) を提供していただいており、外箱にも星月夜が描かれている。
▼内容物をすべて取り出した様子。
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- スマートフォン本体
- スマートフォンケース
- USB Type-Cケーブル×2
- 充電アダプター×2
- ユーザーマニュアル一式
- カードスロット開閉用ピン
なぜかUSB Type-Cケーブルと電源アダプターが2セットも同梱されたパッケージ内容となっている。
▼電源アダプター①
▼電源アダプター②
▼スマホ本体の外観。169.9×76.3×8.3mm、 約228gの筐体サイズ。
▼正面上部のフロントカメラは、もはやパッと見ではほとんど見えないほど、目立たないように内蔵されている。
▼背面の様子。外箱同様、「星月夜」をモチーフとしたデザインが施されている。
▼背面上部には64MPメイン+64MP望遠+50MP広角カメラが搭載。
▼手触りは良好。指紋や手脂などの汚れも付着しづらく、何より美しい見た目。
▼持ち運びに適したサイズ感と重量。
▼厚みは8.3mmと薄く、ポケット等に入れて持ち運んでも支障にならないだろう。
続いて、インターフェースについて見ていく。
▼上部にはスピーカー穴が空いており、下部スピーカーの音を上部からも響かせる造り。
▼下部にはカードスロット、USB 3.1 Gen 1対応のUSB Type-Cポート、スピーカー1基を内蔵。Type-CポートはDisplayPort Alt Modeでの映像出力にも対応している。
▼付属のピンを用いてスロットを開き、デュアルnanoSIMカードの挿入が可能。
▼左側面の様子。
▼右側面には電源ボタン、音量調節ボタンに加えて、スライドスイッチが用意。スライドスイッチには設定アプリから好みの機能を割り当てることが可能だ。
指紋認証・顔認証に対応
本製品は画面内指紋認証および顔認証に対応している。
複数の認証方法を選択できる点は嬉しい。
▼画面内指紋認証の精度は高く、ストレスなくロック解除できる。
デフォルトでは日本語に非対応
本製品は中国版のため、デフォルト状態では英語・中国語のみしか選択できない。
開発者向けオプションを利用することで日本語にも対応させられるとのことなので、知識のある方は試してみると良いだろう。
専用ケースが付属
本製品には専用ケースが付属している。
▼実際に装着した様子。
造りがシッカリしているため、いきなりメインケースとしても十分に活用できるだろう。
AnTuTuベンチマークテスト
本機について、スマホ・タブレット端末の性能を測ることのできる『AnTuTuベンチマークテスト』を実施してみた。
▼Android端末におけるAnTuTuベンチマークテストの実施方法はコチラを参照
-
Android端末でAnTuTuベンチマークテストを行う超簡単な方法(2023年時点)
スマートフォン・タブレットなどのモバイル端末のスペック(スコア)を計測することのできるツールとして、『AnTuTu Benchmark』(アンツツ ベンチマーク)というものがあります。 AnTuTuと ...
続きを見る
結果として、約126万点のスコアを記録することが出来た。
ウェブサイト閲覧や動画視聴はもちろん、『原神』を含めた激重ゲームアプリでも問題なく快適に遊ぶことのできる性能の高さだ。
価格相応のパフォーマンスを実現出来ていると言える。本格的なゲーミング用のスマホを探している方にも間違いなくオススメできるハイエンドモデルである。
それでは以下から、実際に使用した感想について紹介していく。
FHD+・120Hzの美しく滑らかな薄ベゼルディスプレイ
本機のディスプレイは2480×1116(FHD+)解像度、最高120Hzの高リフレッシュレートに対応しており、美しく滑らかな映像を楽しむことが可能だ。
▼リフレッシュレートは設定アプリより切り替えることが出来る。
▼わずか1.68mmの薄ベゼルデザインのため、手のひらいっぱいに映像が広がる。
▼ウェブサイト閲覧時も、細かい文字まで明瞭に表示され見やすい。ページスクロールもなめらかで心地よい。
最高120Hzの高リフレッシュレートで描画される映像は実に滑らかで、ストレスなく操作できる。
▼なお画面スリープ中にスマホを手に取ると、時間や日付情報などが簡易表示される。
ほぼ全ての作業をスムーズにこなせる性能
本機のパフォーマンスを確認すべく、ウェブサイト閲覧時・動画視聴時の動作について検証した。
ウェブブラウジングは基本的に快適であり、画像が多めのサイトや、処理の重いサイトであっても スムーズに閲覧することが出来た。
▼ほとんどのウェブサイトが一瞬で表示される。
また、YouTubeやネットフリックスなどの動画サイトを閲覧した場合においても、スピーディかつ滑らかな動画再生が可能であった。
▼最高画質の美しい映像を、スムーズに視聴することが出来る。
▼発色も良好。実写からアニメまで、満足度の高い映像体験が可能だ。
▼なお、動画視聴中に画面左側を上下にスワイプすると明るさの調節、画面右側を上下にスワイプすると音量調節をスムーズに行うことが出来る機能も搭載されている。
便利なスライドスイッチが用意
本体右側面にはスライドスイッチが搭載されており、カメラ起動やマナーモードへの移行、ゲームスペース起動など、好みの機能へ瞬時に切り替えることができる。
▼割り当てる機能は、設定アプリから自由に変更が可能だ。
優れたサウンド品質
本機のステレオスピーカーについて、音質を確認してみた。
本製品ではSnapdragon SoundやDTS:X Ultraによる高音質な音楽を楽しめる。
音質自体は良好で、中~高音域に関してはクリアなサウンドを楽しむことができる。低音に関してもそこそこ響くため、音圧が強く迫力のある音響体験が可能だ。
ただし、一応上部にもサウンド出力用の穴が空いているものの、スピーカーは下部の1機のみのため、音の出力には偏りが感じられる。立体的なサウンドは期待しない方が良いだろう。
高品質フロント・リアカメラ
また、本機に搭載されていカメラについても確認した。
▼実際にフロント(前面)カメラで撮影した画像。
フロントカメラに関して、画質は概ね良好であり、ヒトの輪郭から表情までクリアに映し出すことが出来ていた。
ただし。フロントカメラでは全体的に露光が強すぎて、明るすぎる印象を受けた。撮影時はカメラアプリ起動時のデフォルトの設定状態で撮影したのだが、上画像のように明るすぎる写真となってしまった。
いくつかパラメータを調節してもこの状態であったため、この画質は仕様なのだろうか?
▼リア(背面)カメラで撮影した画像。広角撮影。
▼1倍撮影時
▼2倍撮影時
▼屋外撮影(1倍)
▼屋外撮影(8倍)
▼屋外撮影(60倍)
背面カメラについても、フロントカメラ以上に鮮明で美しい写真を撮影することが可能であった。発色も良く、肉眼で見た場合に近い色合いを実現している。
上画像を見ても分かる通り、遠景から近景、広角まで、明瞭に撮影することができた。特に遠景撮影時に関しては、64MPペリスコープ望遠カメラによる60倍拡大撮影を行った場合、約6km先のビル群を鮮明な輪郭で撮影することが可能であった。
旅行や記念撮影用のカメラとしても十分に活用できる品質だろう。
最後に、本機を用いて各種ゲームアプリを遊んだ際のパフォーマンスについても確認していく。
ゲーミング性能の確認
最後に、本機を用いて各種ゲームアプリを遊んだ際のパフォーマンスについても確認していく。
『PUBG』プレイ時
まずは『PUBG』の場合について。
まずグラフィッククオリティに関しては、現時点で最高設定である『FHD』を選択することが出来た。
▼フレーム設定はウルトラを選択可能。
実際に試合に参加してみたが、大人数のプレイヤーが密集する場所においても、処理落ちやカクつきなどはほとんど生じず、終始快適なゲームプレイが可能であった。
▼近くのテクスチャから遠くの風景まで、美しく描画される。
▼激しく動き回っても、ラグやフレームレート低下などを感じることはほとんどなかった。120Hz高リフレッシュレートのおかげで、全体的に動きが滑らかに描画される。
▼滑らかな描画で鮮明なゲームプレイが可能。遠方も索敵しやすい。
『PUBG』に関しては、満足度の高いゲームプレイが可能であった。
『原神』プレイ時
続いて "激重" ゲームとしても有名な『原神』の場合について。
非常に重いゲームアプリとして有名な『原神』であるが、本機ではスムーズにプレイすることが可能であった。
▼画質設定はデフォルト状態で "中" に設定されており、デバイス負荷は "スムーズ" の状態。
▼画質設定を "最高" まで上げるとデバイス負荷も高まるが、依然としてスムーズな動作が可能であった。
▼最高画質設定の鮮明な描画で、スムーズに原神をプレイすることができた。
▼激しく動いた場合でもカクつきや遅延を感じることはほとんどなかった。
『原神』クラスの激重ゲームでも常時60fps前後安定で遊ぶことが可能であった。大抵のゲームアプリはスムーズに動作するだろう。
ゲームスペース機能が用意
本製品にはゲームスペース(GAME SPACE)機能が用意されており、ゲーミングに関する様々な機能を利用したり、ゲームアプリ起動時のパフォーマンスを調節することが可能だ。
▼ゲームアプリ起動中に画面右端を中央に向かってスワイプすることで、ゲームスペース画面を呼び出す。
▼パフォーマンスの切り替えから、画面録画、着信OFFなど、様々な便利機能を利用できる。
▼ゲームスペースのパネルには、パフォーマンスや映像品質に関するカスタマイズ項目が用意されている。
本機でゲーミングを楽しみたい方にとっても、うってつけの機能が搭載されたスマホとなっている。
長持ちするバッテリー
本製品には5,000mAhの大容量バッテリーが内蔵されており、長時間の連続利用が可能だ。
実際に満充電の状態から7~8時間ほどゲームアプリを連続して遊んでみたところ、42%ほどしかバッテリーが減っていなかった。ただし画質などのパフォーマンスに影響を及ぼす設定によっては、バッテリー消費速度は大きく変化する。
▼長時間の連続使用後にも、筐体は気になるほどの熱は持たなかった。
また本製品は最高80W高速充電に対応しており、少しの充電時間で一気にバッテリーを回復できる。
短時間の充電で数時間分のバッテリーを回復できる点は魅力的だ。
その他の便利機能
本機には、その他にも優れたユーザビリティを提供する様々な便利オプション機能が用意されている。
以下に一部を紹介する。
One-handed mode(片手モード)
▼「One-handed mode(片手モード)」。片手でスマホを扱いやすいように調節可能。
Z-POP
▼「Z-POP」機能。画面端からスワイプした場合に幾つかの操作ボタンを出現させ、瞬時にアクセス可能。
タッチ操作非認識エリアの調節
▼画面端のタッチ操作非認識エリアを調節可能。手のひら等が画面に触れてしまった場合の誤操作を防ぐことが出来る。
Z-SmartSidebar
▼「Z-SmartSidebar」機能。画面端に、各機能へ瞬時にアクセスできるサイドバーを表示する。
RAM拡張
▼必要に応じてRAM拡張が可能。
『ZTE nubia Z50 Ultra』のまとめ
今回紹介した『ZTE nubia Z50 Ultra』について、特長をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- 優れたスペック構成とパフォーマンス
- 高級感があり、汚れづらい筐体素材
- 発色の良い120Hz対応ディスプレイ
- 原神レベルの激重アプリも、最高画質設定で快適にプレイ可能
- 長持ちするバッテリー
- 実用的なカメラ性能
- 音圧の強いスピーカー
- ゲームスペース機能が用意
- 優れたユーザビリティを提供する様々な便利オプション機能が用意
悪かった点
- デフォルトで日本語に非対応
- 画面解像度はQHD+あたりまで欲しかった
- フロントカメラの輝度が高い、明るすぎる(仕様?)
以上の通り、120万点超えのAnTuTuスコアを記録する、パワフルな高性能スマホとなっている。筐体の素材自体にも高級感があり、IP68等級の防水性能を擁しているため外出先での使用にも向いている。
FHD+解像度・最高120Hzリフレッシュレート対応の薄ベゼルディスプレイにより、滑らかで美しい映像を楽しむことが出来る。また強力なパフォーマンスにより、ゲーミングを含め大抵の作業を快適にこなすことが可能だ。映像視聴やゲーミング目的でスマホを探している方にも、満足度の高い体験を提供するだろう。
ゲーム用の充実した機能も備わっており、ゲーミング向けスマホを探している方にもうってつけだ。
カメラ性能も優れており、オンライン通話はもちろん、旅行時や記念撮影用カメラとしても十分に活用できる品質だ。特に64MPペリスコープ望遠カメラによる遠距離撮影時の画質は、今までにレビューしたモデルの中でもずば抜けた品質となっている。
一方で、インターフェースはデフォルトで日本語に非対応なので注意したい。また、全体的にせっかくここまでのスペック構成を実現しているのであれば、個人的にはディスプレイ解像度はQHD+あたりまで欲しかったところだ。
価格はやや高めだが、あらゆる用途を快適にこなせるハイエンドスマホを求めている方であれば、選択肢の1つに入れても良いモデルだろう。
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